『粗利15%でも倒産します』──地方工務店の経費破綻する理由

お金はシンプルを好みます。
どれくらいシンプルかと言えば、子どもでも理解できるほどです。

収入(入ってくるお金)>支出(出ていくお金)
たったこれだけ。

入ってくるお金が出ていくお金よりも多ければ、基本的にお金に困ることはありません。
その関係さえ守れていれば、家計も、事業も、安定するからです。

もしこのシンプルな法則が一生続く見込みがたてば、将来に対するお金の不安は、ほとんどなくなるでしょう。
これは、家庭の財布を預かる主婦にも、事業を営む経営者にも、共通する「お金の真理」だと私は思います。

「バビロンの大富豪」という世界的な名著があります。
その中で繰り返し語られる金言があります。

お金を手に入れたら、必ず1割とっておけ。

しかも、しつこいぐらいにそう語っています。
と言うよりも、この本で伝えていることはそれのみです。

一度読んだだけでは忘れる人が多いからです。
だから、著者は繰り返します。

ロバート・キヨサキも同じことを言います。
「自分のためのお金を最初にとっておけ」

つまり、収入(入ってくるお金)からまず、大切なお金(将来の自分を守るお金)を確保して、残ったお金を支出として使う。

収入 − 収支(本当に大事なお金)= 支出(使えるお金)

この考え方は、事業にも通じます。

売上 – 経費 = 利益
この公式、古くて見慣れているけれど、実はとても危うい。

利益は「余ったら取るもの」ではなく、「先に取っておくもの」なのです。

売上 – 利益 = 経費
この新しい考え方を提唱したのが、マイク・ミカロウィッツ氏です。

彼は2014年に『Profit First』という本を出版し、この逆転の発想を世界に提示しました。
日本では2018年、『PROFIT FIRST お金を増やす技術』として翻訳され、多くの中小企業経営者に衝撃を与えました。

とてもシンプルな公式です。
売上 – 利益 = 経費

しかも、その「利益」は売上のたった1%で良いというのです。

たった1%。
でも、それを確実に毎月確保することで、経営者の意識が変わり、会社は健全に成長していく。
彼はそう強く訴えています。

反対に、古い公式。
売上 – 経費 = 利益

この考え方では、売上が上がれば上がるほど、利益のことを忘れて経費をどんどん使ってしまう。
気づけば利益はほとんど残らない。

結果として、「80%のビジネスは失敗する」。
この公式こそがその原因なのだと、彼は断言しています。

私もそう思います。とても説得力があります。

お金はシンプルを好みます。
だからこそ、複雑にしてはいけない。

まずは1%、利益を確保してみましょう。
たったそれだけで、あなたのお金の流れは少しずつ変わりはじめるはずです。