「自分の判断基準」を書いてみよう

これから「正義」の話をしよう──いや、「自分の判断基準」の話をしよう
マイケル・サンドルの『これからの「正義」の話をしよう』。
やっぱり、何度見ても、立ち止まって考えさせられる一冊です。

あまりにも有名な「路面電車問題」。

——ブレーキの壊れた電車がこのまま進めば、5人が犠牲になる。
進路を変えれば1人が犠牲になる。
あなたは、ハンドルを切るのか。それとも何もしないのか?

私は、昔ならこう答えていたと思います。
「関わりたくない。これは運命だ」と。
でも、今は違います。

「やらない」という選択

私は、自分の人生に関わることは、自分が責任を持つと決めています。
責任を持つからこそ、自由でいられる——。
今では、そう考えています。

とはいえ、厄介ごとにはできるだけ関わりたくない。
それもまた本音です。

だからこそ、私はまず、こう決めました。
「やりたくないことは、やらない」
これを徹底的に実践する。

一見、身勝手に見えるこの姿勢が、
結果的に「本当に自分が責任を持つべきこと」への集中力を高めてくれました。

どんな選択にも、必ず批判はついて回る

“やらない”という選択をすれば、
「無責任だ」「わがままだ」と言う人が出てくるでしょう。

でも、やりたくないことを我慢してやっても、
自分にも、他人にも、本当の意味で価値を生み出すことはできない。
私は、そう考えています。

だからこそ、私は「やりたいこと」を選ぶ。
それが、人生を自分で引き受けるということだから。

この本のタイトルには違和感があります

最後にひとつだけ、タイトルの話を。
この本の邦題『これからの「正義」の話をしよう』。

原題は、シンプルに『Justice』。
私は、こう訳した方がしっくりきます。

「これから、“自分の判断基準”の話をしよう」

なぜなら、“正義”とは何か?を問いながら、
本当に語っているのは、「あなたはどう決めるのか?」という話だからです。

判断基準を記録する

どんな場面で、何を選んだのか。
なぜ、それを選んだのか。
誰のために。何を守るために。

判断の積み重ねが、その人の“生き方”となり、やがては“哲学”になります。

でも頑なになる必要もありません。

書いては失敗して書き直して成長し続けることが一番幸せだと考えています。

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