去る2025年3月19日。
昨年の消費税を納めた。
支払いに使ったのは「納税準備預金」という、ちょっと変わった口座だった。
あなたは知ってますか?
この名前、聞き慣れないかもしれませんね。
でも、私はこの口座がとても気に入りました。
理由は単純です。
お金を「目的別」に分けておけるから。
この預金、利子には税金がかからない。
けれど、正直言って利子なんてほとんどつかない。
節約効果は、ほぼゼロ。
おまけにATMは使えない。
ネットバンキングに対応していない。
そして何より——
納税以外の目的で引き出すと、その金額に課税される。
つまり、「納税のため」に入れたお金を他のことに使うとペナルティが発生する仕組み。
それって、かなり不便。

じゃあ、なぜわざわざこの口座を選ぶのか?
それは「使いにくさ」にこそ価値があると思っているからです。
この「不便さ」が、誘惑に負けそうになる自分を守ってくれる。
私たちは人間です。
気を抜けば、目先の出費にお金を使ってしまう。
大事なお金まで手を出してしまう。
そんなこと、ありませんか?
だから、私は納税のためのお金を「使いにくい場所」に保管する。
目的を明確に、役割を限定する。
目的別に封筒に入れて仕分けするように口座を使い分けるんです。
でも、銀行は嫌がります。
この口座を作りたいと伝えたら、露骨に面倒くさがられました。
「こんな不便な口座、何故わざわざ作るんですか?」と。
しまいには、上席に確認すると言って別の商品資料を持ってきた。
私は銀行員にそのまま、その資料を返した。
私には、どうしてもこの“使いにくい”口座が必要だった。
だから私は折れなかった。
この口座は、私がやりたいことをするためのものだ。
「納税準備預金」という名前のとおり、納税のためだけに使う。
使いにくい口座イコール「簡単い使えない口座」です。
それが、イイ。
むしろ、それが欲しかった。
お金の使い道が明確になると、心が落ち着きます。
このお金は、もう使わない。守るだけ。

「便利」と「安心」は、必ずしも一致しません。
“使いにくさ”を活かす、そんなお金の守り方があってもいいと、私は思うのです。
便利な世の中だからこそ、“使いにくさ”に頼ってもいい。
あなたのお金には、そんな「守る仕組み」がありますか?


愛知県春日井市 在住
1973年3月10日生まれ